「ビットコインの価格は誰でも見られる。でも、誰が・いくら・どこへ動かしたかまで見ている人は少ない。」
オンチェーン分析とは、ブロックチェーン上に公開されている取引記録そのものを読む方法です。この記事では、専門用語を最小限にして、最初に知るべき3つの視点だけを説明します。
1. すべての送金は公開されている
ブロックチェーンの本質は「公開された台帳」です。ビットコインの公式サイトは、ブロックチェーンを「ネットワーク全体が依拠する共有された公開台帳(a shared public ledger that the entire Bitcoin network relies on)」と説明しています(bitcoin.org「How does Bitcoin work?」)。名前は書いてありませんが、アドレス(口座番号のようなもの)と金額と時刻は完全に公開です。
仕組みの側の数字も、一次情報で確認できます。
- ビットコインの取引は、マイニングと呼ばれる過程を通じて、通常およそ10〜60分で最初の承認を受けます(出典: bitcoin.org)。
- イーサリアムでは時間が12秒単位の「スロット」に区切られ、各スロットで1人のバリデータがブロックを提案します(出典: ethereum.org 開発者ドキュメント)。
つまり「1,500 BTCがどこかからどこかへ動いた」という事実は、取引所の発表を待たなくても、チェーンを見ていれば分かります。海外では Whale Alert や Lookonchain といった観測アカウントが多くのフォロワーを集めていますが、彼らがやっているのは本質的に「公開台帳の読み上げ」です。
2. 最初に見るべき3つのデータ
① 大口移動(クジラ)
大量の資産を動かす主体は「クジラ」と呼ばれます。1回の移動で数十億円が動くことも珍しくありません。重要なのは金額そのものではなく、どこからどこへです。
② 取引所への流入・流出
- 取引所に入れる = 売れる状態にする(売却準備の可能性)
- 取引所から出す = 自己保管に移す(長期保有の意思と解釈されることが多い)
ただし、どちらも断定はできません。カストディの変更や取引所の内部移動も多いためです。単発のニュースではなく「傾向」で見るのがコツです。
③ デリバティブの偏り(OI・Funding)
Hyperliquidのような取引所では、全トレーダーの建玉(ポジション)まで公開されています。ロングとショートのどちらに偏っているかは、Funding(調整金利)という数字で分かります。
Hyperliquidの永続先物では、Fundingは1時間ごとに支払われます(出典: Hyperliquid公式ドキュメント)。同ドキュメントは上限についても「Funding on Hyperliquid is capped at 4%/hour.(毎時4%が上限)」と記載しています。極端な偏りは、市場が一方向に傾きすぎているサインとして観測されます。
3. オンチェーンデータの限界も知っておく
- アドレスの持ち主は推定でしかない(ラベリングには誤りがあり得ます)
- 移動=売買ではない
- 過去のパターンは将来を保証しない
だからこそ、当サイトはすべての観測に「推定」「当社試算」を明記し、算出方法を公開しています。データは判断の材料であって、判断そのものではありません。
まとめ
- チェーン上の送金はすべて公開されている
- まずは「大口移動」「取引所フロー」「デリバティブの偏り」の3つ
- 断定せず、傾向で見る
ChainSonarがいま自動で観測しているのは、このうち大口移動と、デリバティブの偏り(Hyperliquidの建玉とFunding)の2つです。取引所フローはアドレスの帰属ラベルを整備中のため、まだ観測していません。最新の観測はマーケット観測・大口移動・Daily Sonarでいつでも確認できます。