適時開示でビットコインの保有量を確認できた日本の上場企業は14社、開示ベースの合計は約48,500 BTCです(2026年9月7日時点)。本記事は、その14社を開示原文に基づいて記録したものです。日本の全上場企業を網羅したものではなく、何を載せて何を載せないかは後述の「掲載の基準」に明示しています。評価額・含み損益はビットコイン価格に連動して動くため本文には固定せず、最新値は日本企業BTCダッシュボードで15分ごとに再計算しています(保有量・平均取得単価は適時開示が出るたびに更新)。
保有量を確認できた企業(開示ベース14社)
下表の「開示値」は各社が適時開示で公表した数量そのものです。数量の意味が単純な保有量でない社(ジーイエット)は※で区別しています。
| 企業(コード) | 開示値(BTC) | 平均取得単価 | 基準日 | 開示原文 |
|---|---|---|---|---|
| メタプラネット(3350) | 43,000 | 15,331,542円 | 2026-06-30 | 2026-07-02開示(PDF) |
| ネクソン(3659) | 1,717 | 6,446,183円($58,226) | 2021-04-28 | 2021-04-28発表(PDF) |
| リミックスポイント(3825) | 約1,506 | 直近開示なし | 2026-09-02 | 2026-09-02開示(PDF) |
| ANAPホールディングス(3189) | 1,431.9716 | 14,756,285円 | 2026-04-21 | 2026-04-22開示(PDF) |
| エスクリプトエナジー(5721) | 296.2406218 | 16,878,171円 | 2025-10-02 | 2025-10-02開示(PDF) |
| イオレ(2334) | 168.504214 | 14,724,092円 | 2026-02-27 | 2026-02-27開示(PDF) |
| ジーイエット(7603) | 124.8079 ※ファンド拠出前 | 16,825,857円 | 2025-11-05 | 2025-11-05開示(PDF) |
| KLab(3656) | 89.44457 | 11,409,456円 | 2026-06-30 | 2026-07-01開示(PDF) |
| gumi(3903) | 80.352 | 12,430,257円 | 2025-06-11 | 2025-06-11開示(PDF) |
| AIフュージョンキャピタルG(254A) | 37.77449278 | 開示なし(累計投資約5億円) | 2025-11-20 | 2025-11-20開示(PDF) |
| Lib Work(1431) | 29.6431 | 16,867,286円 | 2025-10-06 | 2025-10-06開示(PDF) |
| ダイドーリミテッド(3205) | 23.2714 | 10,742,784円 | 2026-03-30 | 2026-03-30開示(PDF) |
| マーチャント・バンカーズ(3121) | 17.6 | 17百万円(開示表記) | 2025-09-29 | 2025-09-29開示(PDF) |
| 北紡(3409) | 14.658 | 16,213,150円 | 2026-05-11 | 2026-05-11開示(PDF) |
補足を3点。
- エスクリプトエナジー(5721)の開示原文の発行体名は旧商号「株式会社エス・サイエンス」です。
- 北紡(3409)の開示値は累計購入14.66 BTCから移管手数料0.002 BTCを差し引いた数量です。
- バリュークリエーション(9238)は断続的にビットコインを購入していますが、累計保有数量の開示がないため上記14社には含めていません。同社の直近購入は2025-11-25開示(PDF)で7.057 BTC・平均取得単価14,170,311円・購入金額99,999,884円と公表されています。
1社ごとの経緯と観測値は企業別ページにまとめています——メタプラネット(3350)、ネクソン(3659)、リミックスポイント(3825)、ANAPホールディングス(3189)、ジーイエット(7603)、KLab(3656)。
掲載の基準
上の14社は「日本の全上場企業」を数え上げたものではなく、次の4条件で選んだ社です。条件を満たす適時開示を確認しだい追加します。
- 現物ビットコインの保有量が適時開示の原文で確認できること。購入や保有に言及していても累計の保有数量が読み取れない社は、推計で埋めずに一覧へ含めません(バリュークリエーション(9238)・イクヨ(7273)・THE WHY HOW DO COMPANY(3823))。
- ETFなどを通じた間接保有は対象外。ビート・ホールディングス(9399)はビットコインETFの保有状況を月次で開示していますが、現物のビットコインではないため含めていません。
- 取得方針の決議のみで執行の開示が無い社は対象外。グロームホールディングス(8938)は2026年4月20日に取得方針を決議していますが、実際に取得したことを示す開示を確認できていないため含めていません。
- 株主優待の交付に充てる少量の保有は別枠。優待品の交付を目的とした少量保有は、財務としての保有と性格が異なるため一覧では扱いません。コンヴァノ(6574)は売却完了後も優待交付分と担保提供分を保有していますが、その数量が開示されていないため保有量を表示していません。
掲載漏れや数値の誤りにお気づきの場合は、お問い合わせ・訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、削除ではなく明示的に訂正します。
観測ポイント
1. 極端な一極集中: メタプラネット(3350)1社の43,000 BTCが、14社合計約48,500 BTCの約89%を占めます。「日本企業のBTC」は実質的に1社の記録であり、同社の動向(四半期取得・BitBonds・海外出資)が全体の数字を動かします。同社の平均取得単価は2026年6月30日時点で15,331,542円/BTC、総取得額は6,592.56億円と開示されています(2026年7月2日付適時開示「Notice of Additional Purchase of Bitcoin」(PDF))。
2. 取得時期で開示単価が大きく分かれる: 円建てで平均取得単価が開示されている12社を並べると、最も低いのはネクソン(3659)の6,446,183円/BTC(2021年4月)、最も高いのはマーチャント・バンカーズ(3121)の17百万円/BTC(開示表記、2025年9月)で、その幅は約2.6倍です。取得時期の違いがそのまま単価の差になっており、現在値を当てた含み損益も社ごとに分かれます(会計上の評価損益とは一致しません)。最新の各社含み損益は日本企業BTCダッシュボードで常時再計算しています。
3. 「保有」の中身は1社ずつ違う: 数量が単純な保有残高を意味しない社が2社あります。
- リミックスポイント(3825)は保有するビットコインをレンディングに出しています。2026年8月1日時点の貸出元本は1,503.75033699 BTCで、総保有枚数(約1,506 BTC)とは別の数字です。同社は2026年9月1日に保有アルトコイン(ETH・SOL・XRP・DOGE)の全部を売却し、保有する暗号資産はビットコインのみになりました(2026年9月2日付適時開示(PDF))。
- ジーイエット(7603)は2026年3月31日付で保有ビットコインの全量を原資にBTC建てファンドへ出資しており、会計上はファンド持分です(ファンドの投資対象はデリバティブ取引で、現物を持ち続けるのとは異なります)(2026年7月10日付適時開示(PDF))。
- 北紡(3409)はレンディングでの運用、KLab(3656)はビットコインと純金上場信託を組み合わせた運用(2026年6月30日時点の比率はBTC 67.48%・ゴールド32.52%)と、持ち方も1社ずつ違います。
4. 売却の記録: 当サイトが適時開示で確認できた範囲で、2026年にビットコインの保有をゼロにした国内上場企業は、enish(3667)・CRAVIA(6573)・クオンタムソリューションズ(2338)の3社です。コンヴァノ(6574)も売却を完了していますが、株主優待の交付に充てる分と担保提供中の分は対象外で、保有はゼロになっていません。売却の理由・枚数・売却損・損益を計上する四半期までは日本企業がビットコインを売るときに整理しています。
- クオンタムソリューションズ(2338)は2026年8月31日に、連結子会社GPT Pals Studio Limitedが保有していた5.07 BTCの全量を売却しました。同社の2026年9月1日付適時開示(PDF)は「BTC につきましては、GPT が保有していた5.07 BTC の全量を売却したことから、本件売却後の BTC 保有残高は0 BTC となります」と記載しています。同社は2025年10月2日時点で11.57 BTCを保有していましたが、2026年1月14日の一部売却で5.07 BTCとなり、8月31日に残り全量を売却しました。売却の目的は、AIインフラストラクチャ(AIDC)事業に係る資金の確保と開示されています。なお同社はイーサリアムの保有を続けており(同開示時点で3,050 ETH。全量が借入の担保として差し入れ済み)、暗号資産そのものから撤退したわけではありません。
- コンヴァノ(6574)は2025年7月にビットコイン取得計画を公表していましたが、2026年7月24日付「保有する暗号資産の売却方針に関するお知らせ」に基づき、2026年8月10日をもって売却を完了しました。売却損は約298百万円です。ただし同社の2026年8月13日付適時開示(PDF)は「株主優待制度に基づく優待品の交付に充当する分及び担保提供中の分を除き」売却を完了したと記載しており、優待交付分は「引き続き保有」、担保提供分は被担保債務の完済に伴い返還された場合に売却方針に従って売却するとしています(代物弁済がなされた場合は返還が生じない旨も併記)。売却後の保有数量は開示されていないため、当サイトは同社の保有量を表示していません。
- enish(3667)は2026年6月9日に全8.063 BTCを売却し、暗号資産売却損6,222千円を計上しました(2026年6月9日付適時開示(PDF))。同社はSolanaを用いた「アクティブ・トレジャリー事業」への転換を開示しています。
- CRAVIA(6573)は2026年2月3日に全4.68504141 BTCを売却しました。取得単価平均17,075,623円を30%以上下回り、事前に開示していたロスカットルールに抵触したためです(2026年2月3日付適時開示(PDF))。
なぜこのデータを更新し続けるのか
企業のビットコイン保有は、適時開示のたびに変わります。そして含み損益は、ビットコイン価格が動くたびに変わります。更新の速さは項目で違います——価格・評価額・含み損益は15分ごとに再計算し、保有量・平均取得単価は適時開示が出るたびに開示原文と突き合わせて更新しています(手動突合)。当サイトは15分間隔でTDnetを巡回し、検知した開示を速報しています(適時開示制度そのものの説明は日本取引所グループ「会社情報の適時開示制度」にあります)。算出の前提は算出方法に公開しています。
上場企業のビットコインは、購入も売却も適時開示という形で公開の記録に残ります。当サイトは、その記録で確認できた事実だけを積み上げていきます。
※各社の開示に基づく観測・機械計算(当社試算)であり、個別銘柄の売買を推奨するものではありません。